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2014年7月8日火曜日

世界柔術選手権・黒帯ルースター級優勝!【八木沼志保インタビュー第三弾】

世界柔術王者・八木沼志保選手のインタビューラストの第三です。謙虚に技術を学び続け、そして世界王者になっても反省し続ける姿勢には、本当に感服させられるものがありました。なかなか出来るものではありません。柔術は積み重ねることでも強くなれる、そんなインタビューになっています!


第二弾はコチラ!

――今年3月いっぱいで所属していたアンプラグド国分寺が閉館になり、植松直哉先生のネクサセンスに移籍しましたね。

八木沼 日本国内の試合はずっとパワーで勝っていたんですけど、国際試合ではパワーが同等だけに、技術の差を痛感していたんです。改めて技術を学びたいと考えた時に、前々から何度か出稽古におじゃましていたネクサセンスに決めました。植松先生の教える基礎運動から目から鱗で。植松先生の的確な技術は、本当に勉強になります。

――植松先生は世界柔術でもセコンドに付いてましたね。

八木沼 そうなんです、植松さんがセコンドについて心強かったのですが、自分が指示通りに動けない。今回優勝はしたけども、自分的な駄目な試合だったと思います。運が良かったんです、本当に。

――運といえば、世界柔術直前に女子黒帯ルースター級新設が決まるなど、確かに風は向いていた印象はあります。

八木沼 やっと本来の階級で試合ができるな、っと。それでも2キロほどは減量しましたけどね。

――トーナメントも3人出場でした。

八木沼 最初は行ったらメダルだ……と思っていたけども、大会が近づくにつれて負けたくない思いが強まった。負けてメダル貰うのは嫌だなと思うようになってきて。皆は「チャンスだ!」なんて煽られてましたが、凄く強いかもしれないし……と内心ビクビクで。でも組合せの関係で決勝戦の相手の試合も事前にみれて、レティシア・ヒベイロ、ミッシェル・ニコリニのようなスーパー黒帯のレベルはない事がわかって、少し安心できて。やはり黒帯になれば選手歴も長いので、年齢層も高かったんですよ。一回戦の相手は37歳、もう一人は子供がいたし。お互い疲れて、ゼイゼイ言ってて(笑)。

――試合は八木沼選手が上をキープし続けましたね。

八木沼 今回3人共多分 “上”が得意なタイプで、私は自分から積極的に技を仕掛けはしないが、襟引いてバンバン煽ったので、多分相手がイヤになり一人目も、決勝も引き込んでくれました。練習では下はやるけど、試合では手堅く上攻めになっちゃいますね。やっぱりまだまだです。世界王者にはなったけど自分が強いという自信はないし、柔術にしろ、サンボにしろ、経験を積むほど天井知らずの世界だと実感させられます。

――連覇を掛け来年も出場を?

八木沼 いや、今年で世界柔術は最後にしようかと。怪我も多く、自分を追い込めず、10分間戦うのがキツくなってきましたね。しれっと気が変わって出るかもしれませんが(笑)。国内の柔術試合はタイミングが合えば出たいと思ってます。