日本人初!世界柔術選手権・黒帯ルースター級で優勝を果たした八木沼志保選手(ネクサセンス)のインタビュー第二弾。女性サンビストが、柔術に挑んだ理由、そして昼柔術の事などを語ります!
――最初はサンボ練習のみで、柔術試合に出ていたという事ですか?
八木沼 そうですね。サンボで勝てる……と調子に乗っていたから全然勝てなくって。別にサンボも強くなかったのに(笑)。正直な話、最初は柔術が苦手でした。当時はルーチがあまりとられなく、クロスガードに引き込まれて敗退、という事があって。ただ自分では負けた気がしなくって。
――それでも、徐々にハマっていった、と。
八木沼 試合が好きだったんです。柔術もまだ女子の競技人口は少ないし、本来の階級では戦えないけれど、相手はいる。柔術を学ばないと勝てないのはわかったけど、当時所属していたアンプラグド国分寺には柔術の試合に出る人はほとんどいなかったんです。だから試合に出続けて、改善点を浮き彫りにして、道場で柔術を主にやっている方とスパーして修正して、また試合に臨むを繰り返していました。
――そして次第に勝てるようになった、と。
八木沼 そうですね。試合は対戦相手がいれば毎月1回ぐらいは出ていて、青帯の頃は現在プロの日下美代子さん、茶帯の頃は同じくプロの富松恵美さんと試合しましたね。お互い下になりたくないから、柔道出身でもないのにずっと8分間立ち技で戦い続けたりして(笑)。他にもいろんな女性柔術家と試合できて、女性と試合できるのは喜びでしたね。
――次第に女子柔術人口も増えて、女子練習会なども徐々に行われるようになってましたね。
八木沼 最近は女子練習会はちょっと減ってますけどね。一時期は茂木康子さんが定期的に開催してくれて、茂木さんが女子柔術家達を引っ張っていってくれてまして。茂木さんは試合にも常に出場していて、自分より年上の女性選手がいることは心強かった。私もまだまだ頑張ろう…とは思いましたね。
――今後は八木沼選手が引っ張っていく、と?
八木沼 いや、湯浅麗歌子さんも黒帯なったから、テクニカルで強いし、指導力もある彼女が今後引っ張っていくんじゃないですかね。最近は熱心の女の子も増えてきて、白青でも上手くて、私の時とは違うな、と。私自身は確かに経験値はありますが、ただ自己流なので。他人に教えるほどのものはないという感じですかね(苦笑)。
――一番多い時の練習量はどれくらいだったのですか?
八木沼 (練習も)多い時で週10回はやってましたね。3部練習の日もありました。ほとんどスパーリングがメイン。次第にアンプラグド国分寺にも柔術家が増えてきて、帯が下の方であろうと凄い技術を持っていれば訊いて試す。パラエストラ東京さんの昼柔術にも通って。スパーリングや試合が、面白かったんですよ……今でもですけどね。
――女性で昼柔術に参加するとは、凄いですね。
八木沼 私が行き始めた当時は女性では阿部恭子さん(2012年世界柔術女子アダルト黒帯ライトフェザー級3位)がいたのが大きかったですね。体重も近かったから何度もスパーしましたが一回もパスできませんでしたね(笑)。多分2010年か11年ごろぐらいから湯浅さんが来るようになりました。最近は怪我や忙しくなったりで顔を出せていないのですが。黒や茶帯のガロ級の男性の方々とのスパーは特に勉強になります。