2015年10月9日金曜日
2015年10月8日木曜日
松本康雄“レフリー”World Masters Jiu-Jitsu 2015参戦記「レフェリー目線での観戦記」
よくアウェイ判定なんて言われますが、実際のところどうなのか? 最新ルールを熟知した、松本氏の“目”にはどう写ったのか。注目のレポートです。
松本康雄“レフリー”World Masters Jiu-Jitsu 2015参戦記
ラスベガスまで渡米しながら、レフリーまでも定員に達してしまい、残念ながら参加できなかったが「ワールドマスターズ2015」。
観戦者の立場に、いつもの遠征以上に“レフェリング”に注目し、試合を観るようにしました。まずは日本人選手の気になった点を紹介していきます。
まずは写真の金古選手vsフェリッペ・コスタ戦。
金古さんの試合終了間際の渾身の、魂のこもったスイープにはシビれました!
でも、この試合取り上げたいのは、試合序盤の金古選手の引き込みに対して、相手に2ポイントを与えた部分です。
あれは無いですね。ミスジャッジだと思います。
(編集部脚注:さぁ、そんな試合もチェックしてみましょう!)
金古選手は対戦相手の上衣をつかみ、しっかりと尻をマットにつけていました。そこで対戦相手は金古選手を押し込み、背中をマットにつけさせただけです。
これで2ポイントはあり得ない。
次にラスト1分を切った辺りです。。
金古選手が上からパスガードのアタックを続ける流れで相手が立ち上がり、すぐに金古選手が引き込みました。
レフェリーはこのアクションに対し、相手に2ポイントを与えました。
ネットやSNSでは「なぜ相手に2ポイントが?」という意見が見られましたが、自分の見解では、このポイントは正当なジャッジです。
なぜかというと、相手のガードを完全に越えて抑え込む前に「一瞬」両者スタンドになり「3秒以内」に金古さんが下になったからです。
結果、相手がパスされていない(つまりガード)の状態からの流れで上下が入れ替わっているので、リバーサルが成立したのです。
逆に言うと、あの時スタンド状態が3秒以上経過してから引き込んでいれば、ガード状態がリセットされてスタンドの攻防に移ったと見なされ、金古さんの引き込みは成立します。この場合、もちろんリバーサルの2ポイントは入りません。
ルールブックには、スイープの説明の中に以下の文章があります。
対戦相手にガードまたはハーフガードをかけた状態で下になっている競技者が立ち上がり、対戦相手を下のポジションにした状態を3秒間維持する
(ルールブック第4条 4.6)
「上の選手が下の選手の足を超えた時点でガードは成立しないのではないのか?」
という意見があるかもしれませんが、それは誤りです。
パスガードとは、上になっている競技者が、下になっている対戦相手のガードまたはハーフガードを超え、対戦相手をサイドコントロールまたはノースサウスポジションで制した状態を3秒間維持する状態を言います。
(ルールブック第4条 4.2)
つまり、足を超えた時点では、まだなんとも言えない状態なのです。
ただし、パスガードのアドバンテージが入ることはあり得ます。
以前からルール講習会で「3秒」ということはしつこく言われてきていましたが、今回のルール講習会でも同様でした。日本の大会でも、このケースでポイントが入ることがよくあります。
(そしてクレームを受けることも…)
この「3秒」については、指導者や選手の皆さんには特に意識してほしいと思います。勝てていた試合を落とすことにもなりかねませんからね。
吉岡選手(ATOS)の初戦は送り襟絞めで一本勝ち。
翌日のセミファイナルに駒を進めて安堵の表情を押さえました。
この試合の序盤、場外際で吉岡選手がガードポジションだった状態でレフェリーが「パロウ」とコール。
その直後、吉岡選手がスイープのアクションを起こし上下が入れ替わりました。
ここでレフェリーは両者を中央に戻し「パロウ」のコール時点の状態にして、吉岡選手に「ファルタ」を宣告、ペナルティーを与えて再開しました。
このペナルティーの意味、わかりますか?
「パロウ」は試合を中断・終了する掛け声です。
(ルールブック第1条 1.4.1)
この掛け声に従わなかったことについて、レフェリーは反則行為とみなしたのです。
同じようなことは国内の試合でもよく見られますので注意してほしいと思います。
そしてもう一つ。
再び場外際、今度は吉岡選手が上でクローズドガードに入っている状態でレフェリーが「パロウ」のコール。
両者中央で同じ体勢からリスタートとなったとき。
吉岡選手は中央に戻る際、はだけていた道衣を直してクローズドガードに入ろうとしたら、レフェリーは吉岡選手の道衣を再びはだけさせ「ファルタ」をコールしペナルティーを与えました。
(二度目の反則だったため、相手にアドバンテージも入りました)
このペナルティーの意味、わかりますか?
レフェリーは「パロウ」のコールのみで道衣を直す指示を与えていなかったのです。
にもかかわらず吉岡選手が「勝手に」道衣を直したため、中断寸前と同じ体勢から試合を再開させようとするレフェリーの指示に従わなかったと見なされてのペナルティーだったのです。
いかなる理由であれ、レフェリーが試合を中断したときに競技者は可能な限りポジションを変えず、レフェリーの指示を待つ必要がある。
(ルールブック第1条 1.3.6 注釈)
競技者両者の身体が場外に出そうな場合、もしくは両者の身体の3分の2が場外に出て床に留まっている場合、レフェリーは試合を中断し、各競技者の体勢を記録し、中断の寸前に取っていたまったく同じ体勢から、試合場の中央において試合を再開させる。
(ルールブック第1条 1.3.7)
最終的には一本勝ちだったため、ファルタの回数もアドバンテージも勝敗に影響しませんでしたが、もしポイントもアドバンテージも同点だったら吉岡選手は敗退していたことになります。
国内でも「パロウ」のコールの後、レフェリーの指示無しに選手が道衣を直すシーンはよく見られますので、注意してください。
ここまでは日本人選手の試合で見られたケースを紹介しましたが、最後に幾つかの試合で見られたシーンについて。
場外際でガードもしくはハーフガードのときにレフェリーが「パロウ」をコールしました。
すると上の選手はすぐに離れて中央に戻ってしまいました。
その選手に対して、レフェリーは「ファルタ」を宣告し、ペナルティーを与えました。
このペナルティーの意味、わかりますか?
勘違いしている選手が非常に多いんで、もう一度書きます。
「パロウ」は「ブレイク」ではないんですよ。「ストップ」なんです。
(ルールブック第1条 1.4.1)
そして先に紹介した(ルールブック第1条 1.3.6 注釈)と(ルールブック第1条 1.3.7)を遂行しようとしたレフェリーの指示に従わなかった行為に対してのペナルティーなのです。
初日の試合の中で「レフェリー目線」で気になったケースをいくつか挙げてみました。
誤解してほしくないのは、これらのケースは今大会から厳しくなったのではないということです。以前からルールブックに書いてあったことなのです。
自分はここ数年、九州のほとんどのJBJJF公式大会および公認大会でレフェリーを務めています。
今までもルールブックに則って試合を裁いてははいましたが、より一層、しっかりとしたレフェリングを行おうと思います。
「地方だからある程度は緩く・・・」とは思いません。
その考えで試合を裁いていると、九州から全日本クラスの大会やアジア・オープンに遠征する選手は、いつもとは異なるレフェリングによって、勝てる試合を落としてしまうことがあり得るからです。
こういうことを書くと、
「あのレフェリーは厳しい」
「頭が固い」
「選手が楽しく試合できるようにしてほしい」
という意見が出てきます。
実際、今までも言われたことやネットに書かれたことがあります(笑)
「厳しい」んではないんです。
「公平に」レフェリングするだけなのです。
そこは誤解していただきたくないところです。
指導者の皆さんはもちろん、試合出場を考えている選手の皆さんは、ぜひ一度ルールブックを読んでいただくことを強くおすすめします。
2015年10月7日水曜日
10/17(土)芝本幸司、韓国セミナーに向けたインタビュー
2015年10月17日(土)
◆場所
トライフォース韓国UCT
住所: Uijeongbu, Korea
Web: http://www.uct-bjj.com
◆時間
19:00~ テクニック
20:30~ スパーリング
◆参加費
トライフォース会員:無料
会員外の方:50,000ウォン
◆定員
50名程度
◆申込方法(日本の方)
トライフォースまでご連絡ください。
http://www.triforce-bjj.com/form/form1.html
2015年10月6日火曜日
「RollsGracieCUP」スペシャルワンマッチ4試合レポート
「RollsGracieCUP」スペシャルマッチ アダルト紫帯80kg級契約の新村康行vs山田洋平引き込んだ山田のスパイダーガードに新村が苦戦するも、残り30秒で圧を強めた新村がパスして勝利。また山田のガードの巧さも光った試合だった。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日
「RollsGracieCUP」スペシャルマッチアダルト紫帯ルースター級契約の杉本寛樹vs長谷部悠下になったアジア王者の杉本が巧みなガードワークで試合を支配。長谷部の動きの高さはあるものの、全て杉本が抑えた印象。スイープを数度決めるなど、アジア王者の強さをみせた。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日
「RollsGracieCUP」アダルト茶帯ルースター級契約 渡辺翔平vs藤岡勇アジア王者・渡邉と、一発の腕十字に定評のある藤岡。序盤はダブルガードの攻防から渡邉がアンクル、下になった藤岡が一気に腕十字を狙い会場をわかせる、。徐々に試合は渡邉ペースになり、パス・サイドとポイントを重ね、体力を削った最後に腕十字で一本を決めた。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日
「RollsGracieCUP」アダルト茶帯-78.0kg契約 高橋昌嗣vsホブソン・タンノ大会のメインイベントになったこの試合は、開始早々に引き込んだタンノが三角に捉える。耐える高橋に対し三角十字など仕掛け、じわりじわりと三角のロックを強め、そのままマウントを奪って一本勝ちに。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日
2015年10月5日月曜日
【Rolls Gracie Cup】茶フェザー級は石橋が優勝。SFは新村、杉本、タンノらが勝利!!
【Rolls Gracie Cup】茶フェザー級は石橋が優勝。SFは新村、杉本、タンノらが勝利!!
http://mmaplanet.jp/51081
特にMMAPLANETで事前インタビューした山田洋平さんの記事が、アイドルファンの方にも多数観られていたのが面白かったですね。
2015年10月4日日曜日
「RollsGracieCUP」トーナメント部分
台東リバーサイドスポーツセンターにて、「RollsGracieCUP」が始まります! 道着チェックで結構引っ掛かる選手が多い印象です。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日
主催ヘイゾン・グレイシー氏、開会の挨拶弟のホーウスは柔術を進化させた一人であり、現代MMAにおいても柔術の重要性を知らしめた一人だと思っています。この日本の地で、ホーウスの名前を冠につけた大会ができ、関係者の皆様、日本の柔術家の皆様に大変感謝しています。試合出場の皆様の健闘をお祈りします。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日
「RollsGracieCUP」、今回は2マットで各30試合程度です。アダルト茶帯フェザー級では修斗でも活躍する石橋佳大選手が爆発的な圧力をみせ勝利。アダルト紫帯フェザー級では山田大聖選手はバックから送り襟絞めで一本も。昼過ぎにはヘイゾン・グレイシー先生のセミナー開始予定。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日
「RollsGracieCUP」アダルト茶帯フェザー級決勝は石橋佳大(DUROジム)vs 若林琢磨(max柔術アカデミー&ヨガスタジオ)に。引き込んだ若林が、石橋の圧力を流すようにオモプラッタ、ディープハーフを駆使し試合をコントロールし、残り1分までアドバン3でリード。しかし、終盤にディープハーフから抜けた瞬間に石橋がバックを奪い一気に逆転。そのまま絞め狙いのままタイムアップで、石橋が優勝。
Posted by BJJ PLUS on 2015年10月3日