毎月一度のお楽しみ、JBJJF全日本選手権連覇中・金古一郎選手の教則DVDレビューコーナー。第5回めは『HYBRID JIU-JITSU by MARCOS SOUZA & ROBERTO SATOSHI SOUZA』!!
日本人柔術家ならば、静岡県浜松市「」ンサイ柔術道場」のソウザ兄弟を当然ご存知でしょう。次男マルキーニョスは昨年のワールドプロ柔術優勝、三男サトシは一昨年のワールドプロ優勝など、国内最強柔術家と称して異論はありませんよね。そんな2人による最新教則DVDを金古さんが厳しく、使えるか判定します!
金古一郎選手の教則DVDレビュー第5回『HYBRID JIU-JITSU by MARCOS SOUZA & ROBERTO SATOSHI SOUZA』
ソウザ兄弟の教則DVDといえば2007年に愛隆堂から発売された「一歩進んだブラジリアン柔術」を思い浮かべる人も多いと思います。僕自身まだ紫帯だったこともあり「これは一歩どころか相当進んでいるなあ」と感じた覚えがあります。
技術紹介はメインが長男のマウリシオ、そしてマルキーニョスも登場しますがサトシは当時まだ紫帯でそこまで知られてはおらず登場もしません(もしかして受け手位はやっていたかも。曖昧ですみません)。
あれから7年、サトシもマルキーニョスも世界王者になり円熟期を迎えた今日、満を持して発売されたのが本作品です。
まずはマルキーニョスサイドから。
トップからの攻めを好むマルキーニョスらしくパスガード技術を数多く紹介しています。
その多くがレッグドラッグ等の腰を制する系のパスとなっていますが、そこまで難しい物ではなく基本的な技を丁寧に説明している印象。レッグドラッグ系の技術は6年前の「一歩進んだブラジリアン柔術」にはほとんど出てこなかった技術ですね。
2008年辺りからメンデス兄弟が多用し始めて以来大流行し、ベリンボロや50/50と共にモダン柔術を象徴する技として脚光を浴びました。そんなレッグドラッグも今や最新技術というよりももはや基本技術といった印象が強くなりました。
この辺は時代の移り変わりの早さを感じずにはいられないですね。
変わってサトシサイド。
こちらもシンプルな中にも“サトシフレーバー満載”で楽しめます。
個人的にはクローズドガードからの技術が凄く勉強になったかな、と。
ニューガードと言われるガードからのアタックも僕自身がよく使うポジションと非常に互換性もあり早速練習したいですね。
面白いと思ったのが立ち姿勢の相手に対してデラヒーバガードを作った時に今の流れだと帯を持ってベリンボロに行くのに敢えて袖を掴んでヘリコプターを紹介していたのが興味深かったです(この技術は柔術魂8にも収録されていたと思います)
敢えて最新技術であるベリンボロはなくヘリコプターを使っているのが逆に新鮮ですね。きっとサトシならではの拘りがあるのかな。
テクニック面ももちろんですがインタビューも秀逸でマルキーニョスの爆笑エピソードやサトシの思わずホロッとしてしまうエピソード等技術面だけではなく彼等の人間性を垣間見れるのもファンとしては嬉しいですね。
試合映像もテンコ盛りだしここ近年に出た教則物の中でもかなり見ごたえのある作品に仕上がっていると思います。
★★★★☆
柔術家 金古一朗のシュラプネルブログhttp://blog.livedoor.jp/jackdaniels19750224/