アカデミア・アーザ水道橋所属の菊原嘉章選手は、新極真の元日本王者であり、4年に一度開催される新極真会の全世界空手道選手権大会でも“世界2位”に輝くなど、空手家としての知名度は世界クラス。そんな同選手はすっぱり空手を辞め、現在は柔術一本と話す。そんな菊原選手が白帯を巻き出場した『COPA IF-PROJECT2013』でシニア1に出場し、見事に階級・無差別の2冠達成し青帯に。大会後、菊原選手にインタビューを行いました。
--まず空手の経歴について、教えて下さい。
菊原嘉章選手(以下、菊原) 新極真歴は19年あり、過去の成績は第23回ウエイト制大会軽量級・優勝、第4回カラテワールドカップ軽量級・準優勝が最高位ですね。新極真では指導者として生徒200名程に教えていました。
--そんな日本の頂点を極めた選手が空手を辞め、なぜブラジリアン柔術を始めたのでしょうか?
菊原 一度新極真を辞めた時、最初は空手プラスαで格闘技を始めたく、水道橋のアカデミア・アーザ内の大道塾の見学に行ったんです。そこで偶然、黒帯柔術家の山田秀之さんが指導する柔術クラスが行われていて、興味を持ち練習に混ぜてもらいました。膝を腹部に当てるベーシックスイープを教わり、こんな簡単に人間は転ぶのか!と驚いたんです。これなら若い選手にも勝てる!と思ったんですよ。
--若い選手に勝てる、とは?
菊原 僕のやっていた空手は顔面を殴らないこともあり、体力的なせめぎ合いの部分が凄く大きかった。柔術を始めてみた時に、まさに柔よく剛を制すで、しっかり技術を学べば若い選手と勝負しても勝てるな、と。空手はすっぱり辞めたので、今後は一から柔術を学んでいきます。
--現在の練習頻度を教えてください。
菊原 柔術は週3回、あとは柔道もやっています。柔術初めて1年で様々な大会に出させて頂きましたが、どうしても柔道出身選手に負けることが多くって。まだまだ寝技引き込み勝てるほどのレベルではないので、腹立って柔道も一から勉強して(笑)。アカデミア・アーザで柔道3段の長谷川秀彦さんにも教えてもらい、つい先日黒帯も取得しました。
--柔術の試合にはどういう印象を持っていますか?
菊原 僕自身のレベルがまだまだなので、少し戸惑ったり、迷う部分は多々あります。ただ競技生活が長かったので体力面では負けることはありません。あと柔術は試合前後でも笑って和気藹々とした雰囲気があって、最初こそ違和感ありましたが、今は好きですね。打撃の試合は正直、皆「殺してやる」位に思っているので少し殺伐としていたので(笑)。
--今後の目標を。
菊原 一歩一歩確実に、今後は引き込みからの技ももっと勉強して、試合で使っていきたいです。
--最後に師匠の山田選手からみて、菊原選手の印象を教えてください。
山田秀之 この1年で凄く強くなったのは、やはり非常に練習熱心で向上心の塊なのが大きいと思います。アカデミア・アーザではこれまで試合に出る選手が少なかったんですが、菊原さんが出ることで他選手が引っ張られていて、指導者として本当に助かっています。そんな菊原さんのサポートを今後もできれば、と思います。
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