2013年10月14日、東京新宿区のトライフォース柔術・新宿アカデミーにて、『グラスコ柔術アカデミー』、『トライフォース五反田』、『トライフォース柔術アカデミー』の3団体による“キッズ交流戦”が行われました。ブラジリアン柔術も子どもたちの“習い事”の一つとして定着してきましたが、日本ではまだまだキッズ限定の大会は少ないのが現状です。大人が世界柔術等で苦戦している中で、“キッズ育成”は日本柔術界には不可欠です。今回は何故、このような交流戦を行ったのか。発起人の一人であり、JBJJFの審判部長を務めるグラスコ柔術アカデミー代表・桑原幸一さんにお話を伺いました。
--まず交流戦を始めようと思った理由を教えてください。
トライフォース柔術アカデミーの新明君や、今回諸事情により来れなかったデラヒーバジャパンの安井君らと、前々から“より安全に配慮し気軽に試合参加ができる練習試合”を行いたいと話していました。練習会としては以前からトライフォースさん、デラヒーバジャパンさんで行っていたので、今回我々も加えてもらい“交流戦”に。
--交流戦では、どのように試合を組み合わせていますか?
しっかり通常体重に柔術衣を着た体重を目安に、新明君に伝えて組んでもらいました。
--今後、交流戦はもっと団体を増やす予定はございますか?
私的には“気軽に参加できる練習の場の一つ”というコンセプトを持っているので、たくさんのジムが参加できる大きな大会にしたいとは考えておりません。また、私が携わるJBJJFの連盟大会は、役員やレフリーの仕事がありなかなか応援できない。でも、このような交流戦は私も自らが応援して楽しく試合ができる。そんな大会として、友好団体さんと協力しながら継続したいですね。
--今日もレフリングをしてましたが、桑原先生がキッズ試合を裁く時はどこを気をつけていますか?
まずは子どもたちの身体の怪我や不調、命に関わる大きな損傷等が起きないように充分に配慮する事を一番としています。アダルトでは問題ない展開でも、子どもの場合は重篤な怪我につながる事もあります。そんな危険なケースなどを我々が未然に防ぎ、試合を終えた子ども達が自分の足で歩いて指導者や保護者の方の元に戻れる事を第一に考えレフリングをしています。
--次は指導面でのお話を。まず指導時に大切な点は何処にありますでしょうか?
子供達が一生懸命になるためには、大人である私が一生懸命向き合うことが大切ではないか、と思っております。子供達と一緒に汗をかきながら練習すると、自然に引っ込み思案な子や乱暴な子も一緒に頑張ってくれます。なので、身体の続く限り、一生懸命子供達と向き合って行きたいですね!
--中には乱暴な行為してしまう子供もいると思います。そういう子にはどう指導していますか?
当ジムの場合、乱暴行為が相手や世間に対しどのような影響があるか、しっかり話して説明します。もちろん小学一年と中学二年では理解力に差があるため、言葉を変えながら、解りやすく説明します。場合によっては保護者の方にご同席頂き、皆で話して解決方法を考えます。
--柔術の練習、試合で怪我をしてしまった生徒に接する時のポイントを教えてください。
私は柔術指導者であると同時に柔道整復師という資格を持っています。臨床経験もあるので、怪我をした生徒に対しては、治療的なアプローチとメンタル的の両面でアプローチします。怪我をしてる部分には負荷をかけず、いかにその子が他の練習なら出来るかを当人や保護者の方とお話しし、早期復帰につなげられるかがポイントだと思います。
(写真提供:トライフォース柔術アカデミー)