連日お届けしている池袋のブラジリアン柔術・総合格闘技・武道専門ショップ「龍虎MMA」の訪問記。最後は、同社が行っているスポンサード制度についてオーナー仁科さんにお伺いしました。メーカーと選手を結ぶ仁科さんは、どういう視点でサポートを決めるのか。ただ強いだけじゃない、表彰台が全てじゃないんです。
--龍虎MMAさんでは柔術家たちにスポンサーにもなっています。始めた経緯は?
仁科 格闘技ショップをやるからには、やっぱり選手たちを支援したいという思いはずっとあり。会社組織として体制がしっかり整ったところで、いつも取引している柔術衣メーカーから「日本でもチームを作って欲しい」と言われたのがキッカケです。弊社のスポンサード制度では、主に物品提供でさせて頂いてます。
--柔術家では、デラヒーバジャパンの鍵山士門選手が龍虎MMAを通して柔術衣は「adidas jiu-jitsu」、ラッシュ&ショーツ「KORAL JAPAN」のスポンサードを受けていますね。
仁科 鍵山選手は国内最年少黒帯でこのBJJ PLUSさんでも取り上げて頂いていますが彼がメインインストラクターを務める道場(デラヒーバジャパンクエスト)もオープンし、選手として、そして広い意味で柔術家としても益々ビッグになってくれると期待しています。彼のように若く、今後世界でも活躍するような選手をサポートするのは、スポンサードの基本的な事と言えます。ただ、ブラジリアン柔術は“生涯競技”と言える程長く、学べる側面もあります。日本でも30代、40代中心で、上は80代までいます。スポンサードする枠組みは広くても良いと思っています。
--同じように龍虎MMAを軸にスポンサードしているリバーサル新宿Me,weの西林浩平選手は30代後半ですからね。
仁科 そうですね。西林選手は柔術家として全日本マスターズ黒帯を制するなど実力者なのは勿論ですが、昼間は定職に着き、家庭を持ち、そして柔術も楽しみ第一線で活躍する。日本柔術家の良いモデルケースになるのではないか、という思いもあります。私は本人のキャラクターも考慮して選んでいる部分もあります。
--キャラクターも重要。
仁科 同じく「KORAL JAPAN」としてスポンサードさせて頂いている総合格闘家・中村憲輔選手は、現在トレーナー業として地位を確立しつつあります。米国シリコンバレーのグーグル社内のBJJクラスは有名ですが、中村選手は東京のモルガンスタンレー社内のMMAクラスの指導を任されています。更に様々なジムからもお声が掛かり、的確な指導力を持ち、そして発信力、交渉力、コミュニケーション能力も高い。今後日本格闘技界の素晴らしい教育係になるのでは、と思ってサポートさせて頂いてます。勿論、中村選手はしっかりとしたレスリング技術をベースに選手としても魅力的。更に彼のように情報発信能力が高い選手は、やはりスポンサードしたくなりますよね。試合をして、表彰台に登ることだけがスポンサーアピールではありませんから。
■龍虎MMA HP
http://ryukomma.com/